✨ この記事でわかること
- 美容師免許という「ひとつの入口」の先に広がる、6つの分野
- 同じ高山美容専門学校を出た18人の先輩が、いま実際にやっている仕事
- 「いま決めなくても大丈夫。入口に立てば、分野はあとから選べる」という考え方
✨「美容が好き」。でも、何になりたいかは、まだ。
「美容に興味はある。でも、自分が”何”になりたいのかは、まだわからない」。
進路を考えはじめた高校生から、いちばんよく聞く声です。
そして多くの人が、美容のお仕事と聞いて最初に思い浮かべるのは「サロンで髪を切る人」ではないでしょうか。
でも、実際に学校を出て働いている先輩たちに聞いてみると、その先の景色は思っているよりずっと広いことがわかりました。
今回、TAKABI Journalでは、高山美容専門学校を卒業した18人の先輩に、いまどんな仕事をしているのかを聞きました。
並べてみると、大きく6つの”分野”に分かれていきます。
「美容師になる」という同じ入口を出たはずなのに、その先の働き方は、こんなに違うんです。
📌 この記事の数字や声は、アンケートに答えてくれた卒業生18人のものです。「美容師全体の傾向」ではなく、「答えてくれた18人のリアル」として読んでみてください。
💡 ① ヘアスタイリスト ──「切る・染める・パーマ」のサロンワーク
いちばん人数が多いのが、サロンでカット・カラー・パーマを手がけるヘアスタイリストの道です。
お客様のお悩み解決やイメチェンで「人生変わった」と喜んでもらえた時。お客様の気分や人生に寄り添って、変化をつけられたことに感謝された時が、1番やってて良かったと思いました。
立﨑さんはレイヤーカットやハイトーン、デザインカラーが得意。卒業後すぐに入社し、1年半でスタイリストデビューしました。
同じヘアの分野でも、いる場所は人それぞれです。
- 原山竣介さん(LIPPS hair 横浜)は、10〜50代の男性を中心に月280名ほどを担当するデザイナー。
- 咲花さん(LIPPS hair Ray GINZA)はパーマが強み。女性目線のモテヘアを提案しています。
- 沼尾祐哉さん(LIPPS hair 大宮 annex)は月300名ほどを担当しながら、店舗運営にも関わるデザイナーです。
- 菊池真琴さん(antwerp TOKYO)は30〜40代の大人女性を担当。実は新卒で5年勤めた会社を辞めて転職した先輩でもあります。
そして、デビュー前のアシスタントとして土台を磨いている先輩もたくさんいます。小林藻翔さん(sand mieu)、富成洸冴さん(ROOTS)、松村駿之介さん・足立晴楽さん・酒井一樹さん・多田悠眞さん(LIPPS hair 各店)など。
最初ネイリストになろうと思ってましたが、美容学校に入ってからたくさんの技術を学んで、ヘアの方がやりたくなりました!
入ってから「やっぱりこっち」と方向を変えた先輩もいる。ヘアという王道のなかにも、いろんな入り方があるんです。
💡 アシスタントからデザイナーへ、という”段階”の話は、別の記事〔c-4 キャリア地図〕でくわしく紹介しています。
🌿 ② アイリスト・アイブロウ ──「目元」の専門職
2つめは、まつげや眉を専門に手がけるアイリスト・アイブロウの道です。
鏡をお見せした瞬間に喜んでくださる表情を見ること。「今までで一番良かった」とお言葉をいただけたり、ご指名でリピートしてくださったりすることが、何より嬉しい瞬間です。
飯田さんは、まつげパーマ・マツエク・アイブロウを担当。自分自身が「目元の印象が変わった感動」を経験し、「私も誰かにこの感動を届けたい」と思ったのがきっかけだそうです。
ホットペッパーの口コミで、最近は顔を覚えてくださるお客様も増えて、名指しで口コミをいただけることが増えました。それがとっても嬉しいです。
石見さんは、マツエク・まつげパーマ・アイブロウを手がけ、メンズのお客様も担当しています。
💡 ここで知っておきたい業界のルールがひとつ。まつエクやアイブロウ(眉のスタイリング)は、美容師免許を持っている人にしか施術が認められていません(美容師法)
つまり、美容師免許は「ヘアのための資格」ではなく、「目元の専門職」への入口にもなるということ。「ヘアを切るのはちょっと自信がないかも…」という人にとっても、美容師免許が活きる道はちゃんとあります。
📸 ③ 特殊ヘア ──「好き」をとことん極める道
3つめは、ぐっとニッチな世界。特殊ヘアの専門家です。
卒業してから母校で授業をできたこと、特殊ヘア初の授業を最年少でできたことが凄く嬉しかったです。少しは学校に恩返しできたかなって思ってます!
森元さんが手がけるのは、ブレイズ・ドレッド・コーンロウ・針金パーマといった特殊ヘア。お客様には、ラッパーやダンサー、DJなど、音楽・ファッションの世界で活躍する人が多いそうです。
「美容師=みんなと同じことをする仕事」と思っていると、ちょっと意外かもしれません。でも、自分の”好き”をとことん突き詰めた先に、その人にしかできない専門分野が生まれる。森元さんは、それを体現している先輩です。
📌 こうした特殊ヘア専門の道は、18人のなかでは森元さん1人。「こういう道もあるんだ」という、視野を広げる1例として読んでみてください。
🌿 ④ ヘア × ブライダル ──「掛け合わせ」という働き方
4つめは、サロンの仕事と別の世界を掛け合わせる働き方です。
美容師とブライダルのダブルワークをしています。平日は基本サロンワーク、土日は依頼があれば朝、式場でご参列者様たちのヘアセットをして、終わり次第お店に戻ります。
井上さんは、アレンジが得意。お姉さんの結婚式で出会った美容師さんへの憧れが原点でした。minimoという集客アプリを自分で運用して、いちばん多い月で指名のお客様75人という先輩です。
「ヘア一本」でも「ブライダル一本」でもなく、両方やる。そんな選び方もあるんです。
📸 ⑤ トータルビューティー ──「全身」を整える仕事
5つめは、ヘアの枠を超えて、お客様をまるごと美しくする道です。
ヘアセット、メイク、まつげ、眉毛、着付けなど、トータルビューティーにお仕事をしています。
春日さんのお客様は、結婚式や撮影前、大事な会議の前など、「人生の節目」にやってくる方が多いそう。カットやカラーだけでなく、メイクも、まつげも、眉も、着付けも。ひとりで「その人の今日いちばんの姿」をつくり上げます。
「メイクは、自分を前向きな気持ちにさせてくれる魔法です」という春日さんの言葉が、この仕事の魅力をよく表しています。
✨ ⑥ 独立・経営 ──枠も、国境も、超えていく
そして6つめは、サロン勤務という枠も、ときには国境も超えていく独立・経営の道です。
シンガポールを拠点に複数店舗を経営し、現在は海外進出を目指す方へのコンサルティングも対応しています。
大塚さんは、学校を出てから東京で働き、カナダのバンクーバーへ。さらにシンガポールへ渡り、27歳で独立しました。いまは30〜40代の富裕層のお客様を、口コミと紹介を中心に担当しています。
初めの5年くらいは大変でした。学校での授業、交友関係、上下関係、先生との関わりなどは、仕事の種のようなもの。多くのことを学ばせていただきました。
📌 海外で独立、という道を歩んでいるのは、18人のなかでは大塚さん1人。「誰もがこうなる」という話ではありません。でも、「美容師という仕事には、こういうパスポート性もある」という事実は、知っておくと視野がぐっと広がります。
✨ まとめ ── あなたが立つのは、まず”入口”
6つの分野を見てきました。
- ① ヘアスタイリスト(切る・染める・パーマ)
- ② アイリスト・アイブロウ(目元の専門職)
- ③ 特殊ヘア(好きを極める)
- ④ ヘア × ブライダル(掛け合わせ)
- ⑤ トータルビューティー(全身を整える)
- ⑥ 独立・経営(枠も国境も超える)
最後にお伝えしたいのは、この6つも”いま見えている範囲”でしかないということです。
今回ご紹介した18人だって、入学した時点で「自分はこの分野に進む」と決めきれていたわけではありません。入ってから「やっぱりこっち」と方向を変えた人もいれば、出会いやちょっとした偶然で、いまの場所にたどり着いた人もいます。
だからこそ、いま大事なのは、「美容師の道は、ひとつじゃない」と知っておくこと。そして、まずは”入口”に立ってみること。入口に立てば、分野はあとからちゃんと選べます。
あなたの「ちょっと好きかも」という気持ちは、この18人の先輩たちのキャリアの、はじまりとつながっています。🌿
✨ 関連記事
✨ もし、もう少し先輩たちの世界をのぞいてみたくなったら
🌿 今回ご協力いただいたサロン
お忙しいなか、貴重なお話を聞かせてくださった先輩方、そして在籍サロンの皆さまに、心より御礼申し上げます。
